金属3Dプリンター 金属材料一覧
金属3Dプリンター取扱金属
● SUS316L(高耐食性ステンレス鋼)
ステンレスSUS316Lは、SUS316よりも炭素量を低くした高耐食ステンレス鋼です。
ステンレス鋼を約500~800℃に加熱すると結晶粒界にクロム炭化物(Cr23C6)が析出し、粒界腐食により耐食性が悪化しますが、ステンレスSUS316Lは、炭素量を減らすことで、耐粒界腐食性を向上させています。また、モリブデン添加により耐食性(孔食)、耐酸性が良好であるとともに高温に耐えることができます。SUS316Lは極めて炭素量が少ないため、溶接のままで耐粒界腐食性を必要とするところに用います。SUS304より高耐食用です。用途は、石油化学工業、染色工業、繊維工業、食品工業、海水ポンプ、配管部材、船舶部品、バルブなどに用いられます。一般的にステンレス材のハイグレードモデルとして認知されています。
● Alsi10Mg(シリコン系アルミ合金)
アルミニウムAlSi10Mgは、一般的な鋳造用アルミ合金と良く似た特性です。
アルミニウムの比重は2.7で、7.8の鉄と比べると3 分の1 程度と軽いため、高速回転部品や高速摺動部品などの機械部品を鉄からアルミに置き換えるだけで、作動効率が高まると同時に機械の重量軽減にも役立ちます。また、アルミニウムの熱伝導率は鉄の約3 倍ありますので、機械部品として熱伝導または放熱等に使用されます。この他にもアルミニウムは高い通電性や耐食性、接合性などを持ち、鉄やステンレスよりも優れた部品パフォーマンスを発揮します。
● マルエージング鋼(高強度・高硬度の特殊鋼)
元々航空・宇宙分野の構造材として開発された特殊鋼ですが、日本で有名なのはゴルフクラブのヘッド素材です。炭素の含有量を減らした鋼(0.03%以下)で、NiとCoなどをあわせて30%含む特殊鋼。
マルテンサイト化した後、時効処理(aging)によって強度を向上して作られることから「Martensitic」と「aging」のかばん語で「Maraging」と命名されています。強度、靭性に優れ、時効処理によるひずみの発生が少ない。窒化処理が容易、熱膨張率が少ない、耐低温脆性に優れているなどの特徴も持つ。
金属3Dプリンターの試作用途では、「鉄」というカテゴリーの広範囲の汎用金属になります。
● Ti64(軽量で高強度のチタン合金)
国内では通称で「64チタン」と呼ばれていますが、JISでは「JIS60種」・「TAB6400」アメリカASTM規格では「ASTM B348 Gr5」と呼びます。Ti-6Al-4Vと書いたりもしますが、これは化学成分を明記したもので、質量分率で、アルミ(Al)が6%、バナジウム(V)が4%含まれている事を意味しています。最も広く使われるチタン合金で、~300℃までの高温強度もあり加工性、溶接性、靭性のバランスもよく、疲労強度も優れているチタン合金です。
● IN718(高耐熱性の難削材)
インコネルはインコ社の商品名となります。718合金はニッケル合金の中でも代表的な合金の一つでもあり、析出硬化型のニッケルクロムー鉄合金で、相当量のニオブおよびモリブデン、並びにより少量のアルミニウムおよびチタンを添加しています。延性がよくて、最大700℃までの温度で高強度を備える一方
、加工しずらい難削材として知られています。航空機、ガスタービン等耐高温用途に使われる以外にも、低温環境においても優れた機械的特性を発揮し、溶接後の割れの心配がなく溶接性が良好という長所も有しています。